制限行為能力者
まず、前提にあるのが、法律行為の当事者が意思表示をした時に意思能力を有していなかった場合はその法律の行為は、無効となります。(民法3条の2)
法律行為を単独で有効に行うことができる能力を制限された者を制限行為能力者というのですが、当事者として意思表示をしても意思能力を有していないものとみなされる人ということでしょう。
具体的には
- 未成年者
- 成年被後見人
- 被保佐人
- 被補助人
の4種類、かつての禁治産者・準禁治産者というのがありましたが、それに替わるのが成年被後見人・被保佐人ということでしょうか、被補助人は初めて聞く用語です。
未成年者とはどういう扱いなのか
未成年者は、まだ行為能力を備えていないと見なされます。
そのため一人で売買契約などの法律行為が行えないばかりか、親などの法定代理人によって最初からっなかったものとして扱われ、一方的に取り消すことができます。
なお、取引によって既に受け取ってしまっているものは返還させなければなりません。
未成年者が親の同意なく受け取ったり、購入したりしたものが既に使われて価値が減少している場合はどうなるかというと、減少した分を補填しなくてもよく、現状のままで返せば良いということになります。ただ、未成年者という理由で取り消しになったことを理由に現存利益での返還でよいと言うわけではありません、あくまで未成年者の保護の観点で設定しているので、故意に現存利益の返還でよいという方向にするために未成年者であったことを強調するのはNGなのではないかと感じます。
未成年者には例外があり、婚姻すると成年と扱われるのでアパートの賃貸契約などが単独で行えます。
民法上の未成年者でも親の承諾があれば婚姻が可能です。
もっともその年齢で婚姻できるのであれば心身の成熟力という意味では勝ち組なので、十分に行為能力を備えていると考えても良さそうです。
成年被後見人というのはどういう扱いなんでしょうか
成年に達している年齢の者のうち、精神上の障害により判断能力を「欠く常況にある」人が対象になります。例えば、精神障がいや知的障がいで1級の扱いを受けている人などが当てはまります。この他重度の認知症の方なども含まれます。
年齢等一応は成年の要件を満たしていますが、意思決定能力を著しく欠いているということなので、未成年者の場合に近いのですが、同意権がないので、たとえ後見人が同意していても契約自体が無効になるという点が未成年者とは違います。
重度の精神障がいや知的障がいの状態が未成年者の判断力より劣ると見做されているように感じて違和感が残るところではありますが。
ただ、これはそのような状況になったら一律にそうなるわけではなく、一旦司法判断が必要なことなので、家庭裁判所で手続きを取る必要があります。
複数選任することもでき、法人も選任できます。
但し日用品の購入など損失が少なく、生活上必要性が高いものについては当人単独で行為できるものとされます。
被保佐人の扱いとはどういうことか
表記が「補佐」ではない所をまず注意しないと。
成年被後見人の対象として扱われなくても行為能力に十分な疑義がある。そんな状態でしょうか。
保護者の権限では代理権を除いては未成年者と同等です。
13条1項で規定されている行為を除き、原則的に単独で有効な法律行為ができる。
13条1項の該当例
- 元本の領収
- 借り入れをする
- 保証人になる
- 不動産などの売買
- 贈与
- 相続の承認
- …など。
保佐人の同意なく規定されている行為を行った時は取り消すことができる。
保佐人は代理権は持っていないが、家庭裁判所の代理権付与の審判で付与することができる。
基本的に代理権まではないが、審判により追加できるといった所でしょうか。
一番わかりにくい「補助人」
この他に「補助人」という類型もあるわけです。
民法13条の1項に挙げられている行為のうち家庭裁判所の審判で定めた特定の行為について補助人の同意が必要となります。
被補助人がこれらの行為を行えば取り消しの対象になります。
保佐人との違いは、代理権の付与については被補助人の同意が必要とされる所です。
そう言う意味では保佐人より本人の意思決定能力を認めている類型にあたります。

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